小児口腔機能とは?症状・原因・評価・トレーニングを歯科医師が解説
公開日:2026年8月29日 | 最終更新日:2026年8月29日
「口がいつも開いている」「食べるのが遅い」「よく噛まずに飲み込む」「舌が前に出る」「口呼吸が気になる」といったお子さんの様子は、小児口腔機能を確認するきっかけになる場合があります。この記事では、食べる・飲み込む・話す・呼吸する・口を閉じる・舌を動かすといったお口の機能について、症状・原因・評価・トレーニング・家庭でできることまでわかりやすく解説します。
小児口腔機能とは?定義と口腔機能発達不全症
小児口腔機能とは、食べる・飲み込む・話す・呼吸するなど、子どものお口の機能が成長とともに発達していくことです。発達が十分でない場合には、口腔機能発達不全症(Oral Function Developmental Disorder)の観点から評価することがあります。
小児口腔機能とは?
結論:小児口腔機能とは、子どもが「食べる・飲み込む・話す・呼吸する・口を閉じる・舌を動かす」といった、お口の機能を成長とともに獲得していくことを指します。
子どものお口は、単に歯が生えそろえば完成するわけではありません。
成長の過程で、
- 食べ物を口に取り込む
- 前歯で噛み切る
- 奥歯で噛む
- 舌で食べ物をまとめる
- 飲み込む
- 唇を閉じる
- 正しく発音する
- 鼻で呼吸する
といった機能を少しずつ身につけていきます。
これらの発達が年齢や成長に対して十分でない場合、歯科では口腔機能発達不全症(Oral Function Developmental Disorder)などの観点から評価することがあります。
ただし、子どもの発達には個人差があります。
一つの症状だけで異常と判断するのではなく、年齢・成長・食生活・歯並び・舌や唇の動きなどを総合的に確認することが大切です。

小児口腔機能には、食べる・飲み込む・話す・呼吸する・舌を動かすなど、日常生活に関わるさまざまな機能があります。
小児口腔機能でみられる症状・特徴
小児口腔機能では、口が開いている、食べるのが遅い、噛みにくい、舌が前に出る、口呼吸が気になるなどが、歯科で状態を確認するきっかけになる場合があります。
小児口腔機能で気をつけたい症状・特徴
結論:口が開いている、食べるのが遅い、うまく噛めない、飲み込み方が気になる、舌が前に出るなどは、小児口腔機能を確認するきっかけになる場合があります。
保護者の方からよく相談されるのは、次のような様子です。
テレビを見ているときや遊んでいるときに、無意識に口が開いていることがあります。
口唇を閉じる力や鼻呼吸、舌の位置などを確認する場合があります。
一回の食事に時間がかかる場合、噛む力だけでなく、食べ物を口の中でまとめる力や舌の使い方などが関係することがあります。
食べ物を十分に細かくせず飲み込んでいる場合、咀嚼の仕方や食形態が成長に合っているかを確認することがあります。
硬い食品や繊維のある食品を避ける場合、咀嚼機能や食経験などが関係することがあります。
飲み込むときに舌が前歯の間へ出る、普段から舌が前方にある、といった状態がみられることがあります。
舌や唇の動きは発音にも関係します。
ただし、発音は年齢によって発達段階が異なるため、成長を含めて評価します。
普段から口で呼吸しているように見える場合には、鼻呼吸ができているか、口唇閉鎖や舌の位置などを確認します。
必要に応じて耳鼻咽喉科など他科との連携を検討する場合もあります。

口の開き方、食べ方、舌の位置、口呼吸などは、お子さんのお口の機能を確認するポイントになります。
小児口腔機能が十分に発達しにくい原因
小児口腔機能の発達には一つだけの原因ではなく、舌や唇の使い方、食べ方、呼吸、姿勢、歯並び、生活習慣などが複合的に関係する場合があります。
小児口腔機能が十分に発達しにくい原因は?
結論:小児口腔機能には、舌・唇・頬の使い方、食べ方、呼吸、姿勢、歯並び、生活習慣など複数の要因が関係します。
原因を一つだけに限定できないことも少なくありません。
舌の位置や動き
舌が安静時に低い位置にある、飲み込む際に前方へ押し出すなど、舌の使い方が関係する場合があります。
唇を閉じる力
普段から口が開いている場合、口唇を閉じる力や鼻呼吸の状態を確認します。
食事内容や食べ方
成長に合った硬さや大きさの食品を経験することも、お口の機能発達に関係します。
ただし、無理に硬い食品を与えることが良いとは限りません。
年齢や発達段階に合った食形態が重要です。
歯並び・噛み合わせ
歯が生える位置や噛み合わせによっては、前歯で噛み切りにくい、奥歯で噛みにくいなどが起こる場合があります。
呼吸
鼻呼吸がしにくい状態があると、口が開きやすくなる場合があります。
姿勢
食事中の姿勢や頭の位置、足が安定しているかなども、噛む・飲み込む動作に関係することがあります。
指しゃぶりなどの習慣
長期間続く指しゃぶりや唇を噛む習慣などが、歯並びや舌の使い方に影響する場合があります。
小児口腔機能は歯科でどのように診断・評価する?
小児口腔機能は歯だけを診るのではなく、問診、歯並び、噛み合わせ、舌、唇、咀嚼(Chewing)、嚥下(Swallowing)、呼吸などを総合的に確認します。
小児口腔機能は歯科でどのように診断・評価しますか?
結論:小児口腔機能の評価では、歯だけでなく、食べ方、飲み込み方、舌、唇、呼吸、歯並び、噛み合わせなどを総合的に確認します。
歯科医院では、年齢や症状に応じて次のような項目を確認します。
問診
保護者の方から、
- 食事にどのくらい時間がかかるか
- 好き嫌いや食べにくい食品
- 口が開いていることが多いか
- いびきや口呼吸が気になるか
- 発音について気になることがあるか
- 指しゃぶりなどの習慣があるか
などを伺います。
歯・歯並び・噛み合わせの確認
歯の生え方や歯並び、前歯・奥歯の噛み合わせなどを確認します。
舌の動き・位置
舌を前へ出す、上へ上げる、左右へ動かすなどの動作や、安静時の舌の位置を確認することがあります。
唇の状態
口を自然に閉じられるか、唇を閉じた状態を維持できるかなどを確認します。
咀嚼・嚥下の状態
必要に応じて、食べ物を噛む動作や飲み込む動作を確認することがあります。
呼吸の確認
口呼吸が疑われる場合には、鼻呼吸の状態や口唇閉鎖などを確認します。
必要に応じて他科への相談を提案する場合があります。

小児口腔機能では、問診だけでなく、口唇・舌・咀嚼・嚥下・歯並びなどを総合的に確認します。
小児口腔機能の治療・トレーニング
小児口腔機能への対応は、お子さんの原因や発達段階に合わせ、食事指導、舌・唇のトレーニング、口腔筋機能療法(Myofunctional Therapy:MFT)、歯並びや噛み合わせの管理などを組み合わせます。
小児口腔機能にはどのような治療・トレーニングがありますか?
結論:小児口腔機能への対応は、原因や年齢によって異なり、食べ方の指導、舌や唇の機能訓練、生活習慣への助言、歯並びや噛み合わせの管理などを組み合わせて行います。
食べ方の指導
一口量、食べ物の大きさ、噛み方、食事中の姿勢などを確認し、必要に応じて改善方法をお伝えします。
舌のトレーニング
舌を上げる、左右に動かすなど、舌の動きを確認しながら機能訓練を行う場合があります。
唇のトレーニング
口を閉じることが難しい場合などに、唇を使う練習を行うことがあります。
鼻呼吸・口呼吸への対応
口呼吸が疑われる場合は、原因を確認します。
鼻の疾患が疑われる場合には、耳鼻咽喉科への相談を検討することがあります。
歯並び・噛み合わせの管理
歯並びや顎の成長が関係する場合には、成長を確認しながら矯正歯科的な評価を行うことがあります。
口腔筋機能療法
舌・唇・頬など、お口の周囲の筋肉の使い方を整える訓練を口腔筋機能療法(Myofunctional Therapy:MFT)と呼ぶことがあります。
ただし、すべてのお子さんに同じトレーニングが必要になるわけではありません。

小児口腔機能への対応では、舌・唇のトレーニングだけでなく、食事、姿勢、歯並びなども含めて確認します。
小児口腔機能の対応方法を比較
小児口腔機能への対応方法は一つではありません。食べ方、舌、唇、歯並び、呼吸など、確認された状態に応じて選択・併用します。
結論:小児口腔機能への対応は一つではなく、症状や原因に応じて複数の方法を組み合わせます。
| 方法 | 主な対象 | 目的 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| 経過観察 | 発達途中で経過確認が適切な場合 | 成長を見守る | 定期的な評価が必要 |
| 食事・咀嚼指導 | 噛み方・食べ方が気になる場合 | 食べる機能を支援 | 年齢・発達に合わせる |
| 舌・口唇訓練 | 舌・唇の機能が気になる場合 | 正しい機能獲得を支援 | 継続できる内容が重要 |
| 口腔筋機能療法(MFT) | 舌・唇・頬などの使い方に課題がある場合 | 口腔周囲筋の機能を支援 | 適応は個別に判断 |
| 矯正歯科的管理 | 歯並び・噛み合わせとの関連がある場合 | 成長・咬合管理 | 必ず矯正治療になるわけではない |
| 医科連携 | 鼻呼吸など他科評価が必要な場合 | 原因を確認 | 耳鼻咽喉科などとの連携を検討 |
※成功率・治療期間については元原稿に記載がないため、新規追加していません。
小児口腔機能をそのままにするとどうなりますか?
小児口腔機能の問題が将来の病気や歯並びの異常に必ずつながるわけではありませんが、食べ方・発音・口呼吸・歯並びなどとの関連を確認するため、成長に合わせた観察が大切です。
結論:小児口腔機能の問題が必ず将来の病気につながるわけではありませんが、食べ方、歯並び、発音、口呼吸などへ影響する可能性があるため、成長に合わせた確認が大切です。
小児期は、お口の機能が大きく発達する時期です。
そのため、「そのうち自然に治る」と自己判断するのではなく、気になる症状が続く場合には一度評価を受けることをおすすめします。
ただし、発達には個人差があります。
すぐに治療が必要とは限らず、定期的に経過を確認するだけでよい場合もあります。
小児口腔機能の費用・保険適用
小児口腔機能に関する検査・管理・矯正歯科的な対応では、診療内容によって保険診療または自費診療の扱いが異なる場合があります。具体的な費用は診察後の説明が必要です。
小児口腔機能の費用・保険適用について
結論:小児口腔機能の検査や管理は、お子さんの状態や行う内容によって保険診療・自費診療の扱いが異なる場合があります。
口腔機能発達不全症として管理する場合や、歯並び・矯正治療を行う場合などでは、診療内容が異なります。
費用や保険適用については、診察時にお口の状態を確認したうえでご説明します。
小児口腔機能の発達を支えるために家庭でできること
家庭では、食事中の姿勢、一口量、年齢に合った食材、食事の速さ、普段の口の開き方などを観察することが、小児口腔機能の発達を支える一つの方法です。
結論:家庭では、正しい姿勢で食べる、年齢に合った食品を経験する、鼻呼吸や口の開き方を観察するなど、毎日の生活の中でお口の発達を支えることができます。
食事中の姿勢を整える
足がぶらぶらしている状態より、足元が安定している方が食べやすい場合があります。
一口量を確認する
口いっぱいに詰め込みすぎていないか確認しましょう。
年齢に合った食材を経験する
柔らかい食品だけに偏らず、成長に応じた食感を経験することも大切です。
ただし、硬ければ硬いほど良いわけではありません。
食事を急かしすぎない
食べる速さには個人差があります。
無理に急がせるのではなく、食べ方そのものに問題がないかを確認することが大切です。
普段のお口の様子を観察する
テレビを見ているときや寝ているときに口が開いていないか、舌がどこにあるかなどを観察してみましょう。

家庭では、姿勢・一口量・食材・食べる速さ・普段のお口の様子などを確認してみましょう。
小児口腔機能はいつ歯科医院へ相談する?
口がいつも開いている、食事に時間がかかる、噛まずに飲み込む、口呼吸や舌の動きが気になるなどの状態が続く場合は、歯科医院へ相談するきっかけになります。
小児口腔機能が気になる場合、いつ歯科医院へ相談すればよいですか?
結論:口がいつも開いている、噛みにくい、食べるのに時間がかかる、舌の動きが気になるなどの状態が続く場合は、一度歯科医院へご相談ください。
例えば次のような場合は、相談のきっかけになります。
✓ いつも口が開いている
✓ 食事にかなり時間がかかる
✓ 硬い物を嫌がる
✓ よく噛まずに飲み込む
✓ 飲み込むときに舌が前へ出る
✓ 発音が気になる
✓ 口呼吸が気になる
✓ 歯並びや噛み合わせが気になる
✓ 指しゃぶりなどの習慣が長く続いている
症状だけで病気と判断することはできません。
成長段階を含めて評価することが重要です。
小児口腔機能についてよくある質問
お子さんのお口の機能が気になる方へ
「口がいつも開いている」「食べるのが遅い」「舌の動きが気になる」「口呼吸が気になる」など、お子さんのお口について気になることがある場合はご相談ください。症状だけで判断せず、年齢や発達段階を含めて確認することが大切です。
中央歯科クリニック
岩手県一関市花泉町花泉字郷の里57
TEL:0191-82-5959
医療情報について
本記事は、小児口腔機能について一般的な情報を提供することを目的としています。子どもの発達には個人差があり、実際の診断・評価・治療・トレーニング内容はお子さんの状態によって異なります。本記事のみで自己判断せず、必要に応じて歯科医師などの診察を受けてください。

